賃貸世代のためのCo-Livingというコンセプト

物件価格が年々高騰しているロンドンでは、若者の物件購入が思うようにいかなくなっている。リーマンショック以前は、金利こそ高かったものの少額の頭金や場合によっては頭金なしでローンが組めるような夢のような時代であったが、現在は最低10-20%の頭金が必要とされている。また、物件価格が高騰した事もあり、ロンドンなどの都心部では最低でも4-5万ポンドの貯金がないとマイホーム購入が難しくなった。もともと賃貸価格や物価が高いイギリスであるため、また頭金を多く支払う必要性が少なかった事なども加味し多額の貯金をしている人は日本に比べ少ないように見受けられる。そんな中、現在30代半ばぐらいまでの若者の多くは物件を賃貸する事を余儀なくされている人が多い。


賃貸する世帯数の増加

英国テレグラフ紙によると英国全土で1991年の調査では25-34歳の若者の物件所有率は66%だったのに対して、2014は35%まで下がっているとの事である。英国全土の平均物件価格より2倍以上するロンドンでは、その比率は著しく低いものとなっている事が推測できる。

Pwcによるとロンドンの2000年の物件所有率は60%だったのに対して、2025年には40%まで低下すると予想している。またロンドンでの平均物件購入年齢は現在39歳であるとの事である。

 

Generation Rent (賃貸世代)のための新しいリビングスタイル

そんな中、英国では賃貸マンションというコンセプトがなかったが、漸く賃貸世代向けのマンション建設に乗り出している会社が複数現れ始めた。そのコンセプトも面白いもので若者を引き付けるために共有のスペースを充実させて、半共同生活的なCo-Living Spaceとしてのコンセプトを持ったものばかりだ。多くのマンションは24時間コンセルジュがいて、ジム、共同の広いラウンジ、読書ラウンジ、庭、広々としたダイニングスペース、スヌーカーテーブル、宅配ボックス、定期的なイベントやサークルなどを提供している。また、中には光熱費・インターネットも込みにしているところが多い。英国でインターネットが既に建物で完備されている事は非常に少なく、あくまでもそれぞれの物件のテナントがインターネットプロバイダと契約するような形が一般的なので新しい試みといえるだろう。

 

レジデンシャル不動産に非常に少ない機関投資家がいよいよ本格参入?

英国では住宅用不動産に対するREITや機関投資家の参入が非常に少なく、一部のPrivate Equity を除きファンドというものも少ない。英国不動産大手サビルズの報告によると英国の賃貸物件の98%が個人大家さんによって所有されているようである。そんな中Grainger社はGeneration Rentにいち早く目を付けて、マンション建設を展開しているCorporate Landlordである。英国最大のレジデンシャルREITも運営している。

また、西ロンドンのWillesden Junctionに完成したThe Collective Old OakというCo-Livingマンションは、若者のコミュニティー意識を非常にうまくサポートした生活スペースだとしてメディアにも多く取り上げられている。

従来の英国はマンション分譲式が一般的であるが、このようなマンションは建物自体を機関投資家ないしコーポレートランドロードが所有・運営しているような珍しい試みでありBuilt-to-Rentという呼び方もされている。Westminster公爵の不動産投資会社Grosvenor Groupもロンドン南東のBermondseyにこのような大型開発を計画しているようだ。近年相次ぐ、個人投資家への税制悪化などもあり、今後このようなBuilt-to-Rentを運営するREITなどができていくのではないかと思う。

 

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