前回は物件購入からキッチン改装について、記事にまとめさせていただきました。そちらをご覧いただいていない方は、下記よりご覧ください。
今回は、物件購入費用について詳しく、すべてのコストを包み隠さず、公開したいと思います。不動産会社や仲介業者にコストを聞いたけど、ほんとにすべてのコストかな?隠されたコストがあるのではないか?など、心配に思われる方も多いと思いますので、ご参考にしていただければと思います。
まずはじめに、今回購入した物件の概要をおさらいしておきます。購入物件は、ロンドン南の郊外ゾーン3にある1Bedroom。購入金額は£265,000。コロナやブレグジットや金融危機などのない平時で、£310,000ぐらいの価値があるのではないかと思い購入しました。
どのぐらいの利回りを想定して購入したか?
物件内覧時には、想定月額賃料£1,000-£1,050を想定して購入しました。表面利回りで換算して4.5%です。ちなみに販売エージェントも£1,050で募集すると言っており、私の予想と同じでした。英国のエージェントは、あまり賃料を盛っていったりしない傾向にあると思います。中古物件ですと、想定賃貸価格は資料等には記載しませんし、売買担当者はあまり把握していませんので、聞いても賃貸部門の査定担当の意見を聞いてみるとしか言わない事が多いです。分業制だからか、売買担当者が賃貸価格を知らないというのは、感覚的には「えっ!」と思うかもしれませんが、私はこの方がかえって健全だと思います。投資購入する人が主体的に調べるしかないからです。新築マンションなどでは都心は特に想定賃料の資料を作成しているところもありますが、至ってリーズナブルな金額を記載しているところが多いです。
では実際に購入経費をすべて一つずつ解説していきたいと思います。
頭金
今回はBuy to Let Mortgage(不動産投資ローン)を利用して購入するため、25%の頭金を支払ました。Buy to Let Mortgageは通常、最大で75%までしかかしてくれませんのでLoan to Value(LTV)は75%となります。
Stamp Duty (印紙税)
印紙税は今回はコロナ減税中のため、投資家にかかる追加3%の税率のみの支払で済みました。印紙税についてはこちらの記事をご覧ください。
印紙税計算機は→こちら
モーゲージにかかる費用
今回 Buy to Let Mortgageには、モーゲージブローカーを使いました。オンライン審査や銀行から直接借りる場合は基本電話とネット対応のみで借りられます。簡単な反面、自分で探さないといけません。これも全然オーケーですが、今後の投資に役立つローンの事情について細かく質問ができますので、モーゲージブローカーと私は付き合うようにしています。彼らの殆どのフィーは銀行から支払われますので、£295とさほど高くないですので、利用される事をオススメします。
今回選んだローンは5年間の固定金利で1.94%。銀行側のフィーは確か£2,000でした。銀行側のフィーは、ローンに上乗せできますのでその場で支払う必要はありません。今回の銀行は、物件査定費用だけ前払いを要求する会社でその費用が£340かかりました。会社によってはフィーに込々になっているようなローンも多いですが、今回は総合的に考えこちらにしました。
弁護士費用
弁護士費用は弁護士事務所によってまちまちです。私個人的には、調査費用も含めて込々で£2,000-3,000ぐらいの弁護士がいいと思います。もちろん薄利多売で安く行っているような弁護士事務所もあれば、殆どオンラインで進めていくような事務所もあると思います。安いところの特徴は、薄利多売でやっており、電話をしてもコールセンターみたいになかなか担当者につながらなかったり、メールをしても返信は数日はないというのが当たり前です。普通に日本的なビジネスマナーで、電話すればいなくてもその日のうちに折り返してくるレベルを私は選んでいます。やはり担当者ベースですぐに困った事があれば話せる会社がいいと思います。
弁護士費用ですが、見積もりをもらう際、弁護士費用 plus disbursementと言われます。このdisbursementというのは、弁護士がもらうフィーではなく、弁護士が要した外注費用や諸経費の事をいいます。
Local Searchといって調査会社から土地周辺の調査レポートを入手します。この費用や、登記登録費用、決済時の電信送金費用、その他郵送費用などと細々とした項目がいっぱいdisbursementには入ってきます。
今回の場合は、弁護士フィー£1,356, 雑費£240, 調査・外注経費£646の合計£2,242でした。ここまでが一般的にかかるコストですが、今回の場合はリース契約書が古すぎて不完全な部分があるため、その事に起因する将来の問題に対して保険に入り、追加で£332かかりました。また、近くに協会があり、協会税保険(?訳があってるか)がかかりました。協会税保険とは英語ではChancel Repair Insuranceといい、大昔からの法律で協会の修繕費は近隣住民から集めて支払うという法律があります。これを実際に近隣住人から徴収したというケースは現代ではないに等しいようですが、万が一、この制度を近くの教会が利用して修繕を行った場合、その請求を支払ってくれるという保険です。保険が利用されるケースは非常に少ないので安く、£48を購入時に一回だけ支払、毎年支払うものではありません。
その他、各種細かい調査をオプションでいれる事もでき、その場合別途調査費用もかかりますが、今回はローカルサーチだけの最小限のものにしかおこないませんでした。
キッチン改装・修繕費用
キッチンは前回の記事に詳細がありますのでこちらをご覧ください。キッチン改装には£5215かかりました。その他、床の張替えも含めた修繕もかなりマイナーであったため£300ぐらい。
引渡しから貸出までの空室期間の光熱費とカウンシルタックス£304。カウンシルタックスは市民税みたいなもので空室時は大家さん負担で、テナントが入居時はテナント負担です。
賃貸準備(点検等)
賃貸するにあたり、ガスと電気の点検をする必要があります。こちらのコストは£198でしたが、これは賃貸中も定期的に行うものですので、今回の購入経費には入れず、ランニングコストとします。
物件価格 | £265,000 | ||
LTV 75% | 頭金(25%) | £66,250 | |
SDLT (印紙税)(コロナ減税適用) | £7,950 | ||
モーゲージ費用 | £635 | ||
弁護士費用 | £2,652 | ||
リース契約書・協会税保険 | £380 | ||
キッチン改装 | £5,215 | ||
廊下の床張り替え・修繕 (DIY) | £300 | ||
空室期間(光熱費・カウンシルタックス) | £304 | ||
合計 | £83,686 |
以上、すべての購入経費を合計すると£83,686となりました。余す事なくすべての経費を入れましたのでご参考にしていただけるとうれしいです。
ちなみ賃貸の準備が完了した物件の様子はこんな感じです。




いよいよ賃貸の準備が完了したので、次回はエージェント選びから貸出までを書きたいと思います。