賃貸するにあたり、実際にどのようなコストが発生するかを考えていきたい。一般的に下記のようなコストを想定しておこう。
- コミッション:家賃の10-12%(税込み)前後
- 管理費:家賃の5-7%(税込み)前後:英国在住で自分で管理する場合は不要。
- サービスチャージ(建物に払う共益費・積み立て)
- Ground Rent: £100-500前後
- 修繕費用:物件にもよるが年間£1000前後は許容できるようにしておいた方がいい。
- 各種Certificate: EPCやガス点検
- 家具代
- 保険:少額
コミッションについては、10-12%をテナントを探してもらった際に不動産会社に支払う。また、物件の近くに住んでいない場合は、テナント滞在時のメンテナンスなどの対応をしてもらう必要があるので管理費も支払わないといけない。
コミッションについては、「賃貸不動産 規約」にも詳細が記載されているのでそちらのあわせてご覧ください。
Service Charge
英国ではマンションや建物のService Charge (共益費)は家主が払う。こちらは物件によってまちまちだが、マンションの方が高い傾向にあり、コンバーションフラット(アパートのような小さい物件)などは比較的安い。一軒屋は建物自体も所有する事になるのでない。一般にマンションでも、施設(ジム・プールなど)やサービス(コンセルジュなど)、世帯数によっても違う。例えば、コンセルジュやマンションの管理人が常駐しないタイプのマンションは比較的安いし、コンセルジュが24時間いるようなマンションは高くなる。古いマンションの中には、お湯と暖房を集中管理して、各部屋に供給している事があるが、そのようなマンションは共用のボイラーの費用もかかるので特に高くなる。下記に目安を記載しておこう。
マンション(コンセルジュなし):£2000-4000前後
マンション(日中だけコンセルジュ常駐):£3000-5000
マンション(24時間コンセルジュ常駐):£4000-6000
コンバーションフラット:£1000-2500
一軒屋:£0
尚、建物の火災保険等もサービスチャージに含まれている。
修繕費
一般に何かが壊れた場合は、その費用は家主の負担となる。こちらもどのような物件かによるが、購入時にメンテナンスが行き届いており、家電やボイラーなどが比較的新しい場合は£1000ぐらいは想定しておいた方がいい。物件によっては、一年間修繕箇所が一回もなかったなどという事も多いが日本の住宅に比べ、ものは壊れる事が多い。また、ボイラー(湯沸かし・暖房)などが壊れた場合は、取り換えるのに£2000-3000はかかる。家電は、日本にくらべて比較的安い。
各種Certificate
法律で義務付けられた検査証はEPC (Energy Performance Certificate)とガスが物件にある場合はGas Safety Certificateが必要である。とちらも£50-100ぐらいで検査を受けられる。EPCは十年に一回取得すればいいもので、物件の省エネ性をレポートにしたものである。売却時にもこれがないと売れないので、10年以内に購入していれば、必ずあるはずだ。Gas Safetyに関しては、ガスがある物件は一年に一回は必ず行う必要があるので、特に気を付けよう。
EPCが見当たらない場合はこちらにダウンロード方法と記載しました。
家具
新しく物件を購入して貸し出す場合、家具がない事が多い。家具は物件の賃貸価格によって違うレベルのものを提供した方がいいと思う。月に20万円ぐらいの物件であればIKEAなどでもいいかもしれないが、それ以上は物件にふさわしいグレードの家具を選ぶ事をおすすめする。物件のサイズにもよるが、2ベッドルームであれば、最低£7-8000ぐらいはかけ、都心などの高い物件は£15000-20000ぐらいはかけて方がいい。
例:都心の1ベッドルームマンション、日中のみコンセルジュ常駐、お湯・暖房は集中管理
- 物件価格:£625,000
- 年間家賃:£26,000
- コミッション+管理費15%:£3900
- サービスチャージ:£3,500
- Ground Rent: £300
- 修繕費:£1,000
ネット年間家賃:£17,600
例:郊外の2ベッドルーム、コンバーションフラット
- 物件価格:£500,000
- 年間家賃:£20,400
- コミッション+管理費14%:£2856
- サービスチャージ:£1,000
- Ground Rent: £100
- 修繕費:£1,000
ネット年間家賃:£15,444
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EPC (Energy Performance Certificate)とは?・2018年4月より基準改定。